E-Bayのオークションで見つかった掘り出し物
E-Bayのオークションに、1996年頃より日本刀が出てきて売買できるようになりました。売人の中には少数の悪質なデタラメの連中がいます。こういう類の連中は売人として長続きはしません。桑港日本刀協会の全会員は、定期的に私のプライべートのコンサルテーションを受けているので間違った日本刀の買い物はしていません。私が独断で作りました掟では「中国本土のディーラーから日本刀モドキを絶対に買ってはいけない」「買った人は桑港日本刀協会への出入りは禁止」などがあります。
毎月と毎週の日本刀勉強会では、E-Bayで購入した日本刀を持参して会員たちで見せ合っています。修理修繕の必要なものは仕事を承っています。私の仕事は、2、3週間で研磨、鎺金造り、白鞘造りなどが終了します。私の修理修繕の仕事が喜ばれ、仕事は山ほど入ってきます。これまでの例を挙げてみます。
【例1】
1997年。どでかい相州伝法の太刀が出ていました。表銘(太刀銘)には「正宗二十一代相州相模国住人綱広作」、裏銘には「明治十七年八月日」とあり、神社仏閣等への奉納刀ということが分かりました。銘振りの読めない米国人は、この日本刀の正体が判っていなかったようです。結局、私が4000ドルで最終的に落札しました。実を言いますと、価値の十分の一以下で買い上げです。現在は、この太刀を日本刀展示の際の看板の一つにしています。
【例2】
2002年。錆身の脇差しを発見しました。正真銘があり、生茎(うぶなかご)でした。銘はものすごく上手に切ってあり、即座に「加州住清光」と読めました。清の右が青の字で、それを一つ一つくずすと「十二月」と読めるので、珍しい清光刀匠の寛文時代(1661-1673年)に製作された、バリバリの脇差しです。最終的に950ドルで買い上げました。軍装の拵えがついていて、柄には馬のデザインの目貫もついていました。特殊な軍装は、生徒の一人に500ドルで売りました。柄と鞘を連結する、繋ぎ(つなぎ)と呼ばれる木の板を脇差しと同じ形にしたてて造り、入れ込みました。研磨したこの脇差しは、新規の白鞘を造って外側を黒漆で塗りました。加賀藩用の、「九字切り」をデザインした特殊な鎺金も作製しました。
【例3】
2010年の秋。ものすごい錆身の菊池槍が出てきました。売人は「江戸時代に製作された」と書いていましたが、実際はもっと古いのです。長い生茎(うぶなかご)の菊池槍で、460ドルで即座に買い上げました。E-Bayのシステムが2005年ごろから変わり、「Buy It Now」で他の買人より先に買うことができる仕組みでした。刃長は12.3センチメートルで、茎長は35センチメートルです。錆は全て研磨でなくなり、新規製作の鎺金と白鞘を付けました。茎を短くした菊池槍は5振り収集してありましたが、茎が生なものは過去40年間1回しか拝見していません。値段の高いものではありませんが珍刀の類に入ります。
まだまだ、種々のエピソードがあります。これからもE-Bayのオークションに掘り出し物の日本刀が出てくるはずです。勉強して、良い日本刀を買ってください。
毎月と毎週の日本刀勉強会では、E-Bayで購入した日本刀を持参して会員たちで見せ合っています。修理修繕の必要なものは仕事を承っています。私の仕事は、2、3週間で研磨、鎺金造り、白鞘造りなどが終了します。私の修理修繕の仕事が喜ばれ、仕事は山ほど入ってきます。これまでの例を挙げてみます。
【例1】
1997年。どでかい相州伝法の太刀が出ていました。表銘(太刀銘)には「正宗二十一代相州相模国住人綱広作」、裏銘には「明治十七年八月日」とあり、神社仏閣等への奉納刀ということが分かりました。銘振りの読めない米国人は、この日本刀の正体が判っていなかったようです。結局、私が4000ドルで最終的に落札しました。実を言いますと、価値の十分の一以下で買い上げです。現在は、この太刀を日本刀展示の際の看板の一つにしています。
【例2】
2002年。錆身の脇差しを発見しました。正真銘があり、生茎(うぶなかご)でした。銘はものすごく上手に切ってあり、即座に「加州住清光」と読めました。清の右が青の字で、それを一つ一つくずすと「十二月」と読めるので、珍しい清光刀匠の寛文時代(1661-1673年)に製作された、バリバリの脇差しです。最終的に950ドルで買い上げました。軍装の拵えがついていて、柄には馬のデザインの目貫もついていました。特殊な軍装は、生徒の一人に500ドルで売りました。柄と鞘を連結する、繋ぎ(つなぎ)と呼ばれる木の板を脇差しと同じ形にしたてて造り、入れ込みました。研磨したこの脇差しは、新規の白鞘を造って外側を黒漆で塗りました。加賀藩用の、「九字切り」をデザインした特殊な鎺金も作製しました。
【例3】
2010年の秋。ものすごい錆身の菊池槍が出てきました。売人は「江戸時代に製作された」と書いていましたが、実際はもっと古いのです。長い生茎(うぶなかご)の菊池槍で、460ドルで即座に買い上げました。E-Bayのシステムが2005年ごろから変わり、「Buy It Now」で他の買人より先に買うことができる仕組みでした。刃長は12.3センチメートルで、茎長は35センチメートルです。錆は全て研磨でなくなり、新規製作の鎺金と白鞘を付けました。茎を短くした菊池槍は5振り収集してありましたが、茎が生なものは過去40年間1回しか拝見していません。値段の高いものではありませんが珍刀の類に入ります。
まだまだ、種々のエピソードがあります。これからもE-Bayのオークションに掘り出し物の日本刀が出てくるはずです。勉強して、良い日本刀を買ってください。