桑港日本刀協会
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2008年7月8日(火)

刀のはなし65

綾杉肌

 日本刀を鍛錬すると、平地(ひらじ)と鎬地(しのぎじ)に肌が表れます。肌は地肌、地紋、地鉄(じがね)とも呼ばれ、地の紋章です。肌を大別すると、無地、板目、杢目(もくめ)、柾目(まさめ)、綾杉の5種類です。鍛え肌は各時代、各流派によってさまざまで、刀剣の鑑定上、鍛え肌は系統を見分けるための見どころとなっています。
 鍛えの作業は、下鍛え、上げ鍛え、鍛造りの順に行います。下鍛えには、折り返し、十文字の2種類あり、上げ鍛えは下鍛えされた地鉄を積み重ねて鍛え、短冊、拍子木、木の葉の三種の鍛え方があります。鍛造りは合わせ鍛えと丸鍛え(無垢鍛え)に分けられます。合わせ鍛えとは、刃鉄(はがね)、芯鉄(しんがね)、皮鉄(かわがね)等を鍛接(たんせつ)し、素延べするもので四方詰め、本三枚、捲(まく)り鍛えの三種類です。
 綾杉肌は、柾目が波状によじれている肌、または杢目肌と柾目肌を交えて連続的に波打っていると説明されています。在米40年間に拝見した綾杉肌の見えた日本刀は、20振り程度で、とても珍しいです。しかし、真の綾杉肌の正体は化粧肌で、鍛錬の時の素延べの際に、意図的に作るやる方です。日本刀の形がまだ完全でない段階で、ヤスリのような固い鋼で波状の形をつけて伸ばしていくとできるものです。
 次に日本に散乱する綾杉肌で日本刀を製作する刀工群団を挙げてみます。
①大和の尻懸(しりかけ)の一部に、綾杉肌と松皮肌の中間ぐらいの肌物があります。
②摂津の三品但馬守宗次。
③出羽(いずわ)の月山(がっさん)。
④陸奥の舞草(もぐさ)、不揃いの綾杉肌。
⑤越前の桃川。松皮肌に類似した綾杉肌。
⑥薩摩の波平鍛冶団。
 桑港刀剣博物館に、地肌に綾杉肌が見える3振りの日本刀があります。その中の一振りを紹介します。
 1979年に買い入れた脇差しです。銘は月山で、得能一男先生の鑑定書がついています。明治のころに製作された白鞘には、鞘書きがあります。今の白鞘は筆者の自信作です。綾杉肌ですが、ヘビが砂地を這ってつけたような模様の地紋が、はっきりと見えます。 他に拝見した綾杉肌は、数字の「八」を並べたような連続した肌、大杢目肌と松皮肌の入り乱れた肌、大きな渦巻きが暴れているような肌もありました。米国で綾杉肌のの多種多様を拝見しました。
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