桑港日本刀協会
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2008年2月12日(火)

刀のはなし60

日本刀における掟

 長い日本の歴史の中から生まれた掟は、簡単に言えば、公の取り決め、約束事、内々の決まりごとです。日本刀にも、掟がたくさん存在します。例を挙げてみます。
 ①刀を拝見するときは、刀身に素手で触れず、吐く息やつばがかからないように気を付けること。これは錆を防ぐためです。刀の手入れ具を購入し、週に一度は新しい丁字油を刀身に塗るのをお勧めします。
 ②日本刀を拝見した後、別の人に刀を渡すときは、刀身を立てたままの状態で柄、または忠(なかご)を右手で握り、刃方を自分の側に向けて、相手の棟(みね)の方を向けて渡します。
 ③剣術や試し切りの際に、鞘に入っている日本刀を相手(使い手)に渡すときは、刃方を上にして柄を左側にしながら、右手で差し出し、相手は左手で受け取ります。相手の差し出す刀は、左で受け取ります。日本刀は斜め45度くらいに傾けて受け渡します。これは鞘走りを防ぐためです。
 ④平和時の刀は、柄を左に、鞘は右に来るように飾ります。戦時は、柄を右側に、鞘を左側にして飾ります。もちろん、刃方は必ず、上にします。これらの習慣は、侍の日常生活に密着しています。戦時でのいざというときは、左手で鞘を握り、右手で柄を握って刀を抜き打ちにします。余談ですが、オーストラリア博物館発行の本の表紙に、誤った日本刀の飾り方の写真が出ていました。正しい飾り方の次の本が出るまでに11年かかっています。太刀を飾る場合は、特殊な形の太刀掛けというものが存在しますので、それを使用して柄を下にして、鞘を上にして飾ります。 ⑤道中差しという日本刀が江戸時代にありました。刃長は脇差しと同じくらいで、中には2尺を超すものもありました。旅人が道中で山賊に遭遇し、身ぐるみはがされますが、残されたものは道中差しと褌(ふんどし)です。江戸時代の山賊にも、旅人に対する最終的な思いやりの掟が存在してたのです。近くの人里までの帰途に、山犬や熊に遭遇した時に使用する大事な道中差しです。
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