2007年8月7日(火)
刀のはなし55
古刀と新刀の違い
日本刀を吟味して鑑定を行う際に、最も大切なことは、それらの伝法と製作された時代と製作者の鍛冶を知ることです。
古刀は、古身(ふるみ)とも呼ばれ、新刀は新身(あらみ)と呼ばれ、1596年をもって、古刀と新刀に分けられます。新刀は古刀と比較すると時代が若く、手間を省き、簡素化された、新規の鍛錬法が使用されているので、両者の相違は一見して分かります。
古刀は戦乱に使用されてますので研磨減りがあります。古刀鍛冶は時代の流れや、伝法を忠実に守り、刀工は師匠から教えられた掟をよく守ってます。古刀の鍛錬法は小杢目(こもくめ)肌鍛えの時には、焼き幅の狭い直刃紋か小乱れ刃紋を焼き、焼き幅に広い場合には、大杢目肌か板目肌に鍛えるのが原則です。古刀の刃紋は、沈んで落ち着きがあり、風格もあり、一見直刃紋風のように見えても、刃中には必ず細かい働きがあります。古刀の匂い本位の作刀には、沸(に)えが付かないのが原則です。古刀の鋩子は落ち着いた働きがあり、反りが深いです。古刀の地鉄には、うるおいがあり地肌が肌立ちます。古刀の刀身には樋のあるものを多く見かけます。古刀の忠(なかご)は400年以上時代を経ていますので古色の錆が付着してます。銘は二字銘と三字銘が多いです。古刀の彫刻は、力強く品格があり、簡素です。梵字、素剣、不動明王、倶利伽藍(くりから)、神仏の名匠が多 く信仰的です。古刀は姿、形がよく、手に持った調子が、長さの割には軽く感じられバランスがよいです。 新刀の姿、形は見るからに平肉が付き、重量感があり、手に持った調子はどっしりとして、重く感じられます。刃紋にはゆとりが見られ、生き生きと乱れが立っています。刃紋の表面は実に派手で、乱れの谷底から刃先に向かって太い足や長い足が入ってます。鋩子は小丸に返り、働きがあまりないです。棟まちの辺の焼きだしは6〜8センチあり、その後に乱れ刃紋が始まります。地鉄は剛(かた)くギラギラと光ってます。鍛錬法は掟を無視してます。刀身にはあまり樋は見られないです。彫刻は鶴亀、松竹梅、上り竜、下り竜、大黒天など実に装飾的です。刃紋は人目を引く濤欄(どんらん)乱れ、大乱れ、菊水刃、富士見西行などを見ます。忠はあまり錆がのっていず化粧鑢のような装飾的なものがあります。銘は長銘で、受領銘のある作刀が多いです。
古刀と新刀の違い
日本刀を吟味して鑑定を行う際に、最も大切なことは、それらの伝法と製作された時代と製作者の鍛冶を知ることです。
古刀は、古身(ふるみ)とも呼ばれ、新刀は新身(あらみ)と呼ばれ、1596年をもって、古刀と新刀に分けられます。新刀は古刀と比較すると時代が若く、手間を省き、簡素化された、新規の鍛錬法が使用されているので、両者の相違は一見して分かります。
古刀は戦乱に使用されてますので研磨減りがあります。古刀鍛冶は時代の流れや、伝法を忠実に守り、刀工は師匠から教えられた掟をよく守ってます。古刀の鍛錬法は小杢目(こもくめ)肌鍛えの時には、焼き幅の狭い直刃紋か小乱れ刃紋を焼き、焼き幅に広い場合には、大杢目肌か板目肌に鍛えるのが原則です。古刀の刃紋は、沈んで落ち着きがあり、風格もあり、一見直刃紋風のように見えても、刃中には必ず細かい働きがあります。古刀の匂い本位の作刀には、沸(に)えが付かないのが原則です。古刀の鋩子は落ち着いた働きがあり、反りが深いです。古刀の地鉄には、うるおいがあり地肌が肌立ちます。古刀の刀身には樋のあるものを多く見かけます。古刀の忠(なかご)は400年以上時代を経ていますので古色の錆が付着してます。銘は二字銘と三字銘が多いです。古刀の彫刻は、力強く品格があり、簡素です。梵字、素剣、不動明王、倶利伽藍(くりから)、神仏の名匠が多 く信仰的です。古刀は姿、形がよく、手に持った調子が、長さの割には軽く感じられバランスがよいです。 新刀の姿、形は見るからに平肉が付き、重量感があり、手に持った調子はどっしりとして、重く感じられます。刃紋にはゆとりが見られ、生き生きと乱れが立っています。刃紋の表面は実に派手で、乱れの谷底から刃先に向かって太い足や長い足が入ってます。鋩子は小丸に返り、働きがあまりないです。棟まちの辺の焼きだしは6〜8センチあり、その後に乱れ刃紋が始まります。地鉄は剛(かた)くギラギラと光ってます。鍛錬法は掟を無視してます。刀身にはあまり樋は見られないです。彫刻は鶴亀、松竹梅、上り竜、下り竜、大黒天など実に装飾的です。刃紋は人目を引く濤欄(どんらん)乱れ、大乱れ、菊水刃、富士見西行などを見ます。忠はあまり錆がのっていず化粧鑢のような装飾的なものがあります。銘は長銘で、受領銘のある作刀が多いです。