桑港日本刀協会
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2003年5月13日(火)

刀のはなし5

軍刀

 米国在住40年間に拝見した日本刀は数えきれません。また、その拝見した場所もさまざまです。

 米国にある日本刀は、いろいろな事情で持ち込まれました。最も多いのが第二次世界大戦後で、1945−46年ごろに米国軍人によって持ち込まれました。その8割が軍刀です。

 軍刀は非日本刀で、日本には持ち込めません。第一の理由は、玉鋼(たまはがね)の材料で出来ていないからです。第二の理由は、武器として製作されたからです。日本刀の知識のある方々は、これら軍刀を半鍛刀(はんたんとう)と呼びます。「昭和刀」という言葉は間違っています。昭和刀には二種類あるからです。それは「昭和半鍛刀」と「昭和本鍛刀」です。後者は現代刀と呼ばれています。

 半鍛刀を見て、まず外装に気が付きます。これは軍装と呼ばれ、新軍装と旧軍装に大別されます。旧軍装は洋式サーベル形で、1937年の10月に新軍装に取り替えられました。新軍装は大名家の半太刀拵(はんだちこしらえ)に似ています。

 半鍛刀はあまり反りが深くありません。無反(むぞ)りとか直刀として表現されます。これは、刺突方式の剣術に適しているからです。半鍛刀の刃紋は、直刃か三本杉のような尖り刃です。肌は無鍛えなのでありません。また、刃中の働きもありません。焼き入れも低温での油焼きです。これは、刃切れを防ぐためにとれれた処置です。

 次に半鍛刀の忠(なかご)を見ると、軍刀にしかないものに気づきます。軍刀の印です。小さな漢字が刻まれています。岐(ぎ)、名(な)、昭(しょう)、関(せき)の四つの一つです。中には、桜の花びらの中に刻まれた漢字もあります。目釘穴一個で鑢目(やすりめ)は、大体は鷹の羽根様式です。

 銘振りの兼房(かねふさ)、兼俊(かねとし)、兼則(かねのり)など、兼某(かねなにがし)が多いです。これらは表銘(おもてめい)です。裏銘(うらめい)は昭和17、18年が最も多いです。
 半鍛刀を本物の日本刀と思って持っている人がたくさんいることに注意!日本には持ち込めません。
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