2007年5月8日(火)
刀のはなし52
槍
巷にあふれている槍のほとんどが焼身です。これは戦乱で使用された際に、火災に巻き込まれたからです。焼き直し(再刃)もできますが、やはり姿と形状が不自然になってしまいます。槍の価格は刀の約2割前後です。
槍の形状には平三角、正三角、菱形、刀身形などがあります。忠(なかご)と穂先が一体化している、袋槍と呼ばれるものもあります。袋槍は九州筑前(今の福岡県)で製作されました。袋槍でない槍などは、忠槍と呼ばれています。忠は、1.5倍から2倍の刃先の長さが掟となっています。しかし、2尺(60センチ)以上の長い槍は、大身の槍と呼ばれ、忠は必ずしも2倍ではありません。槍の刃紋はほとんどが直刃か直刃調です。現在、桑港日本刀博物館には100振り以上の槍が展示や勉強会の目的で保管されています。中には珍しい槍も含まれ、月鎌槍、管槍、鍵槍、菊地槍などがあります。
槍の長さは刀と違って、穂先から塩(けら)首の下までを測り、穂長(ほちょう)と呼ばれています。古刀と新刀の槍の区別は、塩首の長さで比較されます。一般に、古刀は長く、新刀は、短いです。古刀の塩首の長さは、10センチ以上のものも見かけられます。塩首の切断面の形には、丸、三角、四角、五角、六角、八角があり、丸形と角形の組み合わせの形のもあります。
槍には、兵仗(へいじょう)用と儀仗(ぎじょう)用に二大別されます。戦場で使用された槍は、柄が付き、最下部には石突(いしずき)と呼ばれる金具も付いています。槍にも鞘が付着していて、豪華、華麗な金具も付着しています。戦場で投げて敵に命中させる槍も、考案されました。かごに乗った侍に使用された短い柄のかご槍も、江戸時代に製作されました。大名行列にも使用された大身の槍もあります。
次に大身の槍について挙げてみます。大身の槍は、2尺以上の穂長のもので、兵仗用と儀仗用に使用されました。私見ですが、米国41年在住中、大身の槍は7、8振りしか見ていません。桑港日本刀博物館には、3尺の槍が保管されています。春と夏の日本町のお祭りで展示しています。これは、1980年代にサンフランシスコにあった骨董品屋にあったものを買い入れしたもので、安土桃山時代に製作され、隠れキリシタンの十字架も刻印されています。不動明王の梵字もあります。米国で一番長い槍です。私の槍は世界で三番目に長い槍です。第一と第二に長い槍は日本にあります。世界一長い槍は、伊賀忍者だった服部半蔵が所持していました。
槍
巷にあふれている槍のほとんどが焼身です。これは戦乱で使用された際に、火災に巻き込まれたからです。焼き直し(再刃)もできますが、やはり姿と形状が不自然になってしまいます。槍の価格は刀の約2割前後です。
槍の形状には平三角、正三角、菱形、刀身形などがあります。忠(なかご)と穂先が一体化している、袋槍と呼ばれるものもあります。袋槍は九州筑前(今の福岡県)で製作されました。袋槍でない槍などは、忠槍と呼ばれています。忠は、1.5倍から2倍の刃先の長さが掟となっています。しかし、2尺(60センチ)以上の長い槍は、大身の槍と呼ばれ、忠は必ずしも2倍ではありません。槍の刃紋はほとんどが直刃か直刃調です。現在、桑港日本刀博物館には100振り以上の槍が展示や勉強会の目的で保管されています。中には珍しい槍も含まれ、月鎌槍、管槍、鍵槍、菊地槍などがあります。
槍の長さは刀と違って、穂先から塩(けら)首の下までを測り、穂長(ほちょう)と呼ばれています。古刀と新刀の槍の区別は、塩首の長さで比較されます。一般に、古刀は長く、新刀は、短いです。古刀の塩首の長さは、10センチ以上のものも見かけられます。塩首の切断面の形には、丸、三角、四角、五角、六角、八角があり、丸形と角形の組み合わせの形のもあります。
槍には、兵仗(へいじょう)用と儀仗(ぎじょう)用に二大別されます。戦場で使用された槍は、柄が付き、最下部には石突(いしずき)と呼ばれる金具も付いています。槍にも鞘が付着していて、豪華、華麗な金具も付着しています。戦場で投げて敵に命中させる槍も、考案されました。かごに乗った侍に使用された短い柄のかご槍も、江戸時代に製作されました。大名行列にも使用された大身の槍もあります。
次に大身の槍について挙げてみます。大身の槍は、2尺以上の穂長のもので、兵仗用と儀仗用に使用されました。私見ですが、米国41年在住中、大身の槍は7、8振りしか見ていません。桑港日本刀博物館には、3尺の槍が保管されています。春と夏の日本町のお祭りで展示しています。これは、1980年代にサンフランシスコにあった骨董品屋にあったものを買い入れしたもので、安土桃山時代に製作され、隠れキリシタンの十字架も刻印されています。不動明王の梵字もあります。米国で一番長い槍です。私の槍は世界で三番目に長い槍です。第一と第二に長い槍は日本にあります。世界一長い槍は、伊賀忍者だった服部半蔵が所持していました。