2006年9月12日(火)
刀のはなし44
鎺金(はばきがね)
鎺金は日本刀の外装を造るときの基本となるので、拵、拵金具を作る時一番最初に行われます。
鎺金を製作するのは、刀身が鞘の中でガタつかないように固定するためです。江戸時代には、多種多様な鎺金が存在しました。各地方でそれぞれ特色のある鎺金が製作されました。鎺金の製作過程はどこでもほとんど同じです。主なものは下記の通りです。
庄内鎺
加賀鎺
越中鎺
尾張鎺
大阪鎺
肥後鎺
薩摩鎺
製作過程は①下地づくり②やすりがけ③着せ金づくり④仕上げの4工程です。鎺金の肉置きの姿や形状は、昔は実用本位で、呑(の)み込みが深かったものです。鑑賞として鎺金を見ると、呑み込みが浅い方が見た目が良いので、だんだんと浅く製作されるようになりました。
鎺金には昔から一重鎺金と二重鎺金があります。掟では、新刀に一重鎺金、古刀に二重鎺金を装着していましたが、現代では好みに応じて製作されております。製作過程で注意する点は、刀の刃枢(はまち)を痛めないようにすることです。
鎺金の材料は、銅、銀、金、赤銅が使用されます。鉄で製作された鎺は日本刀と同質のため錆が生じやすく、刀身と刃枢を損傷する原因になります。現代では、鉄は使用されていません。銅は堅く、金は柔らかすぎて変形してしまいます。金と銅の合金も堅すぎます。金と銀の合金はよいですが高価になってしまいます。銀無垢の鎺金が最良です。私が日本で鎺金作りの仕事をしていたときは、師匠が200個以上の銀無垢鎺金を作る仕事をくれました。現在までに500個以上の鎺金を作りました。
鎺金の下地作りの過程で、終了した鎺金の合わせ目に小さな「枢金(まちがね)」と呼ばれる刃物状の金属片を入れ込んで硼砂(ほうさ)を水で溶いたものをを表面と内側に塗り、銀鑞(ぎんろう)で接着します。硼砂はほこりやゴミを取り除き、接着を助け、また酸化止めにもなります。 桑港日本刀博物館では年に6、7回、鎺金づくりの指導をしています。過去に北加桜祭りで鎺金づくりの実演もしました。
鎺金(はばきがね)
鎺金は日本刀の外装を造るときの基本となるので、拵、拵金具を作る時一番最初に行われます。
鎺金を製作するのは、刀身が鞘の中でガタつかないように固定するためです。江戸時代には、多種多様な鎺金が存在しました。各地方でそれぞれ特色のある鎺金が製作されました。鎺金の製作過程はどこでもほとんど同じです。主なものは下記の通りです。
庄内鎺
加賀鎺
越中鎺
尾張鎺
大阪鎺
肥後鎺
薩摩鎺
製作過程は①下地づくり②やすりがけ③着せ金づくり④仕上げの4工程です。鎺金の肉置きの姿や形状は、昔は実用本位で、呑(の)み込みが深かったものです。鑑賞として鎺金を見ると、呑み込みが浅い方が見た目が良いので、だんだんと浅く製作されるようになりました。
鎺金には昔から一重鎺金と二重鎺金があります。掟では、新刀に一重鎺金、古刀に二重鎺金を装着していましたが、現代では好みに応じて製作されております。製作過程で注意する点は、刀の刃枢(はまち)を痛めないようにすることです。
鎺金の材料は、銅、銀、金、赤銅が使用されます。鉄で製作された鎺は日本刀と同質のため錆が生じやすく、刀身と刃枢を損傷する原因になります。現代では、鉄は使用されていません。銅は堅く、金は柔らかすぎて変形してしまいます。金と銅の合金も堅すぎます。金と銀の合金はよいですが高価になってしまいます。銀無垢の鎺金が最良です。私が日本で鎺金作りの仕事をしていたときは、師匠が200個以上の銀無垢鎺金を作る仕事をくれました。現在までに500個以上の鎺金を作りました。
鎺金の下地作りの過程で、終了した鎺金の合わせ目に小さな「枢金(まちがね)」と呼ばれる刃物状の金属片を入れ込んで硼砂(ほうさ)を水で溶いたものをを表面と内側に塗り、銀鑞(ぎんろう)で接着します。硼砂はほこりやゴミを取り除き、接着を助け、また酸化止めにもなります。 桑港日本刀博物館では年に6、7回、鎺金づくりの指導をしています。過去に北加桜祭りで鎺金づくりの実演もしました。