桑港日本刀協会
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2006年6月13日(火)

刀のはなし41

茎(なかご)

 昔は「なかごみ」と称していましたが、現代は略して「なかご」となり、漢字は「茎」「中心」「忠」のいずれかを使うようになりました。単に「こみ」と言う鑑定家もいます。茎は柄の中に「入り込む」部分なのでそう呼ぶのです。茎の先端部分も、場所により「茎尻(なかごじり)」「茎先(なかごさき)」と呼び分けています。
 茎は、刀匠が刀を完成させるために、最後の精力を注ぐ場所です。刀匠独自の鑢(やすり)をかけ、形状や肉置を整えて仕立てをし、最後に自分の銘を切って完成します。
 茎の形状を見ただけで、刀匠の技量が推察できる場所でもあります。茎の形、鑢目だけを拝見して、時代や五カ伝などを推察できます。鑑定のうえでも「しも」と呼ばれる茎は、「かみ」と呼ばれる刀身に劣らない重要な箇所です。刀身と茎は上下関係にあることを知っておいてください。
 茎の種類は大きく分けて4種類です。
①生ぶ茎
 製作当時と全く同じで、手を加えられていません。
②枢(まち)送り
 刀身と茎の境界線となる刃枢と棟枢を上の方へ持っていき、茎が少し長くなったもの。枢上げとも言われています。
③少磨(しょうすり)上げ茎
 単に磨上げ茎とも言われ、銘が多少残っています。 
④大磨上げ茎
 銘が全く失われていて無銘の茎です。
 他に折り返し茎、短冊銘茎などもあります。

 茎の形状を次に挙げます。
❶先細りの茎
❷雉子股(きじまた)茎
❸振袖茎
❹船底茎
❺たなご腹茎
❻薬研(やげん)茎
❼御弊形(ごへいがた)茎

 茎の形だけで製作場所と時代が鑑定可能です。刀匠の製作地が分かる茎もあります。備前茎と加州茎がその好例です。備前茎は先が丸く、ずんぐりしています。加州茎はそぎ落としです。
 次に茎先の形を挙げます。
❶切り(一文字)
❷栗尻(くりじり)
❸平山形
❹丸山形
❺高山形
❻片山形
❼剣形(けんぎょう、または剣先)
 茎の第一の条件は上手か下手かです。偽物やまね物の茎は、下手が上手のまねをするのですから、本物より上手な訳がありません。しかし、いかなる高名な刀匠でも、出来損なう場合もあることでしょう。出来の悪い茎を見てごまかしてはいけません。茎の見極めはとても重要です。崩れていたり、乱暴だったり、余計な箇所があったり、整っていなかったり、むらがあったりしたら本物ではありません。偽物です。
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