桑港日本刀協会
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2006年4月11日(火)

刀のはなし39

偽銘の見分け方

 日本刀には在銘と無銘があります。在銘の刀は8割上が偽銘だと断定する鑑定家がいます。私も正真が2割ほどだと推察します。昔に彫られた偽銘はとても幼稚で、すぐに判定できます。しかし、最近は刀剣の研究が進んできたので、科学的技術も採用されて偽銘も相当巧妙になってきています。
 名刀の記載されている書物が新しく出版されると、銘の部分の押型写真を拡大して偽銘切りに励んでいるようです。
 新しく切られた銘の部分を精査すると不自然なところに気づくはずです。
 ①忠(なかご)の色がほかの部分と違う②忠に不自然なあばた風の赤錆が出ている③忠の肌にブツブツしたものがある④銘の位置がおかしい⑤銘の漢字が曲がっている⑥忠の錆が一定していない⑦忠の全体の鑢(やすり)目が筋違いなのに、銘のあたりだけが勝手上がりになっている。
 最近、低温処理の電気溶接で正真銘の忠と無銘刀でできばえのよい下作物を継ぎ合わせた日本刀に遭遇しましたが、やはり不自然な場所を見つけました。忠の棟(みね)のあたりに小さな継ぎ跡が線状となってありました。
 一番多い偽銘の仕立ては次の通りです。
①無銘の刀に銘を入れる
②在銘の下作物の銘を消して、有名な刀匠の銘を入れる
 やはりこれらも不自然なところが必ずあります。忠尻の形が違っていたり、鷹羽根鑢(たかのはねやすり)が絶対にない備前物の刀に、備前国住長船勝光と銘があったりしたら必ず偽銘です。
 脇差しに三条宗近とあったら偽銘です。宗近は、太刀と短刀だけを製作していた平安時代の人です。脇差しは、応永時代以降に製作されました。新刀の肥前刀は99%が太刀銘を切っています。脇差しと短刀は刀銘を切っています。南北朝時代以前の日本刀には、太刀銘を切っているものがほとんどなので、刀銘を切っている場合は偽銘、偽物です。
 備中青江の鍛冶は古刀時代でも刀銘を切っています。偽銘、偽物の看破は、勉強して本物をよく精査し、また良き剣友、剣兄、刀匠の弟子になることをお勧めします。
 
 桑港日本刀協会の、毎週と毎月の勉強会で、偽銘の日本刀のサンプルを用意して会員一人独りに、説明をしています。
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