肥満体だったジェームスさん

　ジェームスさんは2005年、サンフランシスコ日本街で開催された桜祭りで、私たちの日本刀展示会場にやってきて、日本刀のことを勉強したいと申し出て生徒になりました。
 
　初めの頃は、ほかの会員と同じように金曜日の夕方の毎週の勉強会と、日曜日の毎月の勉強会に来ていました。しばらくすると、日本刀のことがかなり理解できるようになり、E-Bayとカウパレスのガンショウで日本刀を買うようになりました。掘り出し物の日本刀も、私が個人的に二十振り以上見つけてあげました。博物館にもないような日本刀をジェームスさんはたくさん持っています。
 
　彼は、いつもまじめな態度で日本刀勉強会に参加し、他の会員とも友人関係になり、奥様と共に日本刀修理修繕のクラスに参加するようになりました。鞘造り、柄巻き、研磨もできるようになりました。比較的、他の会員よりも上達が早かったです。
 
　ジェームスさんには一つの問題がありました。それは肥満体です。2007年の10月ごろより、剣術、試し切りのクラスに参加するようになり、1年と2ヶ月で68ポンド体重が減りました。もちろん過酷な運動を桑港剣術道場でさせられ、最終的に92ポンドの体重が減り今に至っています。
 
　体重が減ったので鎧も着られるようになり、サンノゼ日本街の剣術と試し切りのデモとサンフランシスコ日本街の桜祭りグランドパレードにも参加しています。肥満のころは、糖尿病、高血圧でコレストロール値も高く、薬に頼った生活をしていました。毎月の薬代が200ドルから300ドルでした。今は、剣術と試し切りの鍛錬の成果で、完全に薬から開放されています。彼の医者がびっくりしたそうです。「私の健康管理のコンサルテーションのおかげだ」と喜んでいます。他にも、体重が減った生徒や糖尿病がなくなった生徒が桑港剣術道場にたくさんいます。
 　ジェームスさんが剣術と試し切りを習いたかった理由がいくつかありました。彼は半分日本人で、子供の頃から日本の武術を何か習いたいと考えていました。また、他の人より強くなりたいと生涯思っていたのです。そういった経緯で日本刀勉強会、剣術と試し切りの鍛錬に望んだのでありました。