岡村さん
岡村さんが桑港日本刀協会に入門したのは2002年です。インターネットの検索で私達の存在を見つけ、E-mailで連絡して終身会員になりました。岡村さんは日系アメリカ人で1943年生まれです。Social Securityのオフィスで長年働いて退職したそうです。日本語はできませんが、自分を誇りある日本人と思っています。二歳ぐらいまでは日本語を話していたそうですが、両親が他のアメリカ人より差別を受けるといけないので、英語だけを家族の間で話していたそうです。
入門後は他の協会員と同じように毎月の勉強会に顔を出し、日本刀の基礎知識を少しずつ増やして行きました。E-bayやカウパレスのガンショウでも掘り出し物の日本刀を買うようになりました。相当数の日本刀が収集され今日に至っています。
岡村さんは珍しい十文字槍を持っています。これは、私がE-Bayのオークションで見つけたもので、オーストリアより送られて来ました。その時点では錆身でありましたが、私が研磨を施し新規の鞘と柄を制作したものです。柄の最下部についている石突きは、岡村さんが自分で探してきたものです。なぜか石突きが好きなようです。鉄で出来ている石突きは、薙刀と槍の最下部についている金具です。薙刀の石突きと槍の石突きは形が違います。十文字槍用の柄は樫の木で製作し、外側を緑色の漆で塗り、手を握る部分には滑り止め用に溝を彫って黒の漆で塗りました。漆の情報を岡村さんが納得するまで説明してあげました。漆を乾かすには、熱と湿気が同時に必要なことも岡村さんは知っています。
岡村さんは日本の習慣、慣わし、作法などに興味を持っていて、よくそれらの関連事項のことを質問してきます。一つの例を御紹介致します。毎月の日本刀勉強会の真っ最中に、刀に関する掟はありますかと漠然に質問してきました。私は山賊と脇差の話をしてあげました。ある時、江戸時代に箱根の山を越えて商いをしている人が運んでいた荷物を山賊に襲われてしまい、あげくの果てには、身包み剥がされた後に放置されてしまいました。しかし、山賊がそのかわいそうな商人に残したものが二つありました。それらはふんどしと脇差です。脇差は、護身用として山道を降りているときや山犬や他の獣に襲われた時に使用するためです。江戸時代の山賊にも情けと掟があったのです。岡村さんはこの話をしてやると大喜びでした。
他にもトンボの説明をしてくれと頼まれました。現在では「トンボ」と言う言葉が使われていますが、昔は「勝ち虫」と「秋津」が使われていて、日本の国の古称は「秋津島」です。これは、日本の国には、たくさんのトンボがいるという由来です。他にも漢字が三つ在ります。秋津洲、秋津島根、蜻蛉です。戦国時代(1467-1591)に、戦場でたくさんの鎧、兜、拵え金具に蜻蛉のデザインが使われました。これは、敵に勝つために武将や足軽が祈願したためです。
毎月の日本刀勉強会の時には、歴史的背景のある事柄を私は会員に説明しています。日本人でも知らない事柄を、課題として指導しています。岡村さんは2008年に、自分の家の家紋入りの日本刀を九州宮崎県在住の刀鍛冶より特別注文して、誇りに思っています。家紋の話を徹底的にしてあげました。岡村さんはいろいろな家紋入りの小道具と鍔をたくさん収集しています。奥さんにも日本刀を買ってあげたこともあります。奥さんは岡村さんの日本刀収集に同意しています。悪友の中西さんみたいに、使った金額のゼロを一つすっぱ抜く必要がありません。岡村さんはE-Bayで日本刀を買うときは、必ず私に相談をしてきます。これからも、岡村さんが掘り出し物の日本刀をたくさん見つけられるようにと願う私です。
入門後は他の協会員と同じように毎月の勉強会に顔を出し、日本刀の基礎知識を少しずつ増やして行きました。E-bayやカウパレスのガンショウでも掘り出し物の日本刀を買うようになりました。相当数の日本刀が収集され今日に至っています。
岡村さんは珍しい十文字槍を持っています。これは、私がE-Bayのオークションで見つけたもので、オーストリアより送られて来ました。その時点では錆身でありましたが、私が研磨を施し新規の鞘と柄を制作したものです。柄の最下部についている石突きは、岡村さんが自分で探してきたものです。なぜか石突きが好きなようです。鉄で出来ている石突きは、薙刀と槍の最下部についている金具です。薙刀の石突きと槍の石突きは形が違います。十文字槍用の柄は樫の木で製作し、外側を緑色の漆で塗り、手を握る部分には滑り止め用に溝を彫って黒の漆で塗りました。漆の情報を岡村さんが納得するまで説明してあげました。漆を乾かすには、熱と湿気が同時に必要なことも岡村さんは知っています。
岡村さんは日本の習慣、慣わし、作法などに興味を持っていて、よくそれらの関連事項のことを質問してきます。一つの例を御紹介致します。毎月の日本刀勉強会の真っ最中に、刀に関する掟はありますかと漠然に質問してきました。私は山賊と脇差の話をしてあげました。ある時、江戸時代に箱根の山を越えて商いをしている人が運んでいた荷物を山賊に襲われてしまい、あげくの果てには、身包み剥がされた後に放置されてしまいました。しかし、山賊がそのかわいそうな商人に残したものが二つありました。それらはふんどしと脇差です。脇差は、護身用として山道を降りているときや山犬や他の獣に襲われた時に使用するためです。江戸時代の山賊にも情けと掟があったのです。岡村さんはこの話をしてやると大喜びでした。
他にもトンボの説明をしてくれと頼まれました。現在では「トンボ」と言う言葉が使われていますが、昔は「勝ち虫」と「秋津」が使われていて、日本の国の古称は「秋津島」です。これは、日本の国には、たくさんのトンボがいるという由来です。他にも漢字が三つ在ります。秋津洲、秋津島根、蜻蛉です。戦国時代(1467-1591)に、戦場でたくさんの鎧、兜、拵え金具に蜻蛉のデザインが使われました。これは、敵に勝つために武将や足軽が祈願したためです。
毎月の日本刀勉強会の時には、歴史的背景のある事柄を私は会員に説明しています。日本人でも知らない事柄を、課題として指導しています。岡村さんは2008年に、自分の家の家紋入りの日本刀を九州宮崎県在住の刀鍛冶より特別注文して、誇りに思っています。家紋の話を徹底的にしてあげました。岡村さんはいろいろな家紋入りの小道具と鍔をたくさん収集しています。奥さんにも日本刀を買ってあげたこともあります。奥さんは岡村さんの日本刀収集に同意しています。悪友の中西さんみたいに、使った金額のゼロを一つすっぱ抜く必要がありません。岡村さんはE-Bayで日本刀を買うときは、必ず私に相談をしてきます。これからも、岡村さんが掘り出し物の日本刀をたくさん見つけられるようにと願う私です。