学んでよかった指圧
指圧を本格的に習い始めたのは、私が14歳の時でした。横浜にあった空手の道場に通っていた頃です。私の空手の先生が、平日の空手の指導以外に、日曜日の朝から夕方にかけて女性の護身術と一緒に、月に一回、指圧をクラスで伝授していました。今から考えると尊い教えです。私たちは医者ではないので、患者という言葉は使いませんでした。客という言葉を代わりに使っていました。私たちの客は、生徒の家族、道場の近所のおばさんや若いお姉さんもたくさんいました。客と言っても指圧の代金はいただいていませんでした。商売のことなど全然考えない私の空手の先生です。
私は指圧の技術ばかりではなく、歴史、指圧の関連事項にも興味を持って勉学に励んだのです。私の父が、香港から針灸のツボの絵図面を取り寄せてくれて、空手の道場の壁に貼って指圧の生徒等とお客さんとその絵図面をみて喜んでおりました。絵図面は、四体のかなりの大きさの人間の男性の人体図です。経絡、ツボの名前の詳細が出ていました。カラー版で綺麗な絵図面です。ある時、私がふざけて股間の辺にイチジクの葉っぱを貼り付けていると、近所のおばさんや姉ちゃん達が大喜びです。どスケベの先生も静かにニンマリと笑っていました。
ちょうどその頃、テレビで指圧の浪越先生が出ていて、指圧のことを広めていました。その人は、マリリン・モンローの美しい体にも指圧をしたそうです。ハリウッド女優で金髪の鼻の高い彼女のスンバらしい肉体に触ったのは「日本人男性としては俺だけだ」と豪語していました。うらやましいと私は思いました。私も、アメリカに留学したら、金髪のグラマーな女性に、指圧をジャンジャンしてあげたいと内心思っていました。夢を大きく持って、新天地のアメリカでがんばろうと思ったのです。空手道場での楽しかった指圧の勉強は、私が渡米をする寸前まで続けられました。
初めて真似事の指圧モドキをさせられたのは私が8歳の時、場所は東京の中延の祖父と祖母の家でのことでした。肩のこった祖母の照さんと、私の母の義理の姉さんのおエンさんの二人に指圧モドキをして10円の駄賃をもらっていました。冬休みには、いつも中延の家に泊まって休暇を楽しんでいたのです。そんなことが二年くらい続きました。私も、だんだんとがめつく、せこくなり駄賃を10円から30円まで引き上げました。照さんと美人のおエンさんの二人は私の良いお客さんでした。稼いだ金でたくさんのプラモデルを買っていました。どでかい戦艦大和、戦艦武蔵のプラモデルも買いました。子供ながらに、私は指圧の合間に隠れて赤玉ポートワインを飲んでいました。私はその頃10歳ぐらいだったので、少年の私が酒を飲むはずがないとみんなは思っていました。赤玉ポートワインがなくなるので、疑いはいつも母の清子さんの弟の昭英さんにかけられました。私は便所に隠れて爆笑していました。私は真相を告白できず、祖母がつきとめようとしていた「赤玉ポートワインを飲んだ犯人探しの事件」はついに迷宮入りになりました。その頃から、指圧の商売は儲かるのだなと思い始めました。
東洋医学では、病気を人体的な関連の上でとらえています。エネルギーの循環経路のような、経絡の流れも大事です。自然観があり、それが五行陰陽説です。自然界には、木、火、土、金、水の五気があって支配されています。自然界の五つの物質は、植物、熱、土、鉱物、液体です。自然界に住む人間は男が陽で、女が陰です。それぞれの性格に陽性と陰性があり、人間の体を形成する六臓六腑があります。人間の体は、自然界と同じ構成で活躍しています。四季があって、夜と昼があって、雨の日と晴れの日があり、人間も自然界に左右されます。調子の良い日と悪い日があります。体に変調を起こすこともあります。経絡とツボの指圧は、人間の六臓六腑の機能を助け、エネルギーの循環経路の機能が正常に働くようにさせます。六臓は肝、心、脾、肺、腎、心包です。六腑は、胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦です。ツボに表れるしこりや痛みで、どの経絡とツボに異常があるかが指圧で分かります。
針灸の絵図面を見ると、経絡とツボの位置が詳細に書かれていますが、人によって位置が少し異なります。それを探り当てるのが、指圧の基本的な技術です。手を使うことが器用な人は、指圧を数ヶ月でマスターできます。ツボ療法で、まず経穴(ツボの別名)の位置 を正確に把握することが必要です。まず触ってみる、触診です。次に、つまんでみる、撮診です。それから、おしてみる、圧診です。指圧の技法は六種類あります。
①なで、さする軽さつ法
②もむ、揉捏法
③もみながらこねる、按捏法
④おす、圧迫法
⑤たたく、叩打法
⑥ふるわせる、振震法
これらの技法を行うのに使う腕、肘、膝、足、踵、指などの部所があり、空手を習っている私は、これらの部所を鍛えているので、長時間使えることができるのです。
指圧を習って実に良かったです。私の好きな女性に何のためらいもなく触診できるのです。触っちゃうのです。いじっちゃうのです。渡米して2年後、21歳で世界一若い武道武術道場長兼持ち主になり ました。道場で指圧も教え始めました。家庭訪問式の指圧も始めました。顧客は八割が美しいアメリカ女性でした。指圧をスエーデン式のマッサージと思っている人々がたくさんいました。指圧をオイルマッサージと思っている女性もたくさんいました。中には、家庭訪問の指圧を行いに家に行くと、素っ裸で私を待っていてくれました。男的には実に光栄でうれしく思いましたが、金銭がらみのお客様です。私情と金儲けは一緒にしてはいけないと思う、28歳の若さのバリバリの青年の私でした。自分がたまに信用できなくなりそうな時があった私でした。でも指圧のお客様が、自分達のオンナ友達をたくさん紹介してくれました。
指圧を習って本当によかったと思う私です。指圧、万歳!最高!
私は指圧の技術ばかりではなく、歴史、指圧の関連事項にも興味を持って勉学に励んだのです。私の父が、香港から針灸のツボの絵図面を取り寄せてくれて、空手の道場の壁に貼って指圧の生徒等とお客さんとその絵図面をみて喜んでおりました。絵図面は、四体のかなりの大きさの人間の男性の人体図です。経絡、ツボの名前の詳細が出ていました。カラー版で綺麗な絵図面です。ある時、私がふざけて股間の辺にイチジクの葉っぱを貼り付けていると、近所のおばさんや姉ちゃん達が大喜びです。どスケベの先生も静かにニンマリと笑っていました。
ちょうどその頃、テレビで指圧の浪越先生が出ていて、指圧のことを広めていました。その人は、マリリン・モンローの美しい体にも指圧をしたそうです。ハリウッド女優で金髪の鼻の高い彼女のスンバらしい肉体に触ったのは「日本人男性としては俺だけだ」と豪語していました。うらやましいと私は思いました。私も、アメリカに留学したら、金髪のグラマーな女性に、指圧をジャンジャンしてあげたいと内心思っていました。夢を大きく持って、新天地のアメリカでがんばろうと思ったのです。空手道場での楽しかった指圧の勉強は、私が渡米をする寸前まで続けられました。
初めて真似事の指圧モドキをさせられたのは私が8歳の時、場所は東京の中延の祖父と祖母の家でのことでした。肩のこった祖母の照さんと、私の母の義理の姉さんのおエンさんの二人に指圧モドキをして10円の駄賃をもらっていました。冬休みには、いつも中延の家に泊まって休暇を楽しんでいたのです。そんなことが二年くらい続きました。私も、だんだんとがめつく、せこくなり駄賃を10円から30円まで引き上げました。照さんと美人のおエンさんの二人は私の良いお客さんでした。稼いだ金でたくさんのプラモデルを買っていました。どでかい戦艦大和、戦艦武蔵のプラモデルも買いました。子供ながらに、私は指圧の合間に隠れて赤玉ポートワインを飲んでいました。私はその頃10歳ぐらいだったので、少年の私が酒を飲むはずがないとみんなは思っていました。赤玉ポートワインがなくなるので、疑いはいつも母の清子さんの弟の昭英さんにかけられました。私は便所に隠れて爆笑していました。私は真相を告白できず、祖母がつきとめようとしていた「赤玉ポートワインを飲んだ犯人探しの事件」はついに迷宮入りになりました。その頃から、指圧の商売は儲かるのだなと思い始めました。
東洋医学では、病気を人体的な関連の上でとらえています。エネルギーの循環経路のような、経絡の流れも大事です。自然観があり、それが五行陰陽説です。自然界には、木、火、土、金、水の五気があって支配されています。自然界の五つの物質は、植物、熱、土、鉱物、液体です。自然界に住む人間は男が陽で、女が陰です。それぞれの性格に陽性と陰性があり、人間の体を形成する六臓六腑があります。人間の体は、自然界と同じ構成で活躍しています。四季があって、夜と昼があって、雨の日と晴れの日があり、人間も自然界に左右されます。調子の良い日と悪い日があります。体に変調を起こすこともあります。経絡とツボの指圧は、人間の六臓六腑の機能を助け、エネルギーの循環経路の機能が正常に働くようにさせます。六臓は肝、心、脾、肺、腎、心包です。六腑は、胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦です。ツボに表れるしこりや痛みで、どの経絡とツボに異常があるかが指圧で分かります。
針灸の絵図面を見ると、経絡とツボの位置が詳細に書かれていますが、人によって位置が少し異なります。それを探り当てるのが、指圧の基本的な技術です。手を使うことが器用な人は、指圧を数ヶ月でマスターできます。ツボ療法で、まず経穴(ツボの別名)の位置 を正確に把握することが必要です。まず触ってみる、触診です。次に、つまんでみる、撮診です。それから、おしてみる、圧診です。指圧の技法は六種類あります。
①なで、さする軽さつ法
②もむ、揉捏法
③もみながらこねる、按捏法
④おす、圧迫法
⑤たたく、叩打法
⑥ふるわせる、振震法
これらの技法を行うのに使う腕、肘、膝、足、踵、指などの部所があり、空手を習っている私は、これらの部所を鍛えているので、長時間使えることができるのです。
指圧を習って実に良かったです。私の好きな女性に何のためらいもなく触診できるのです。触っちゃうのです。いじっちゃうのです。渡米して2年後、21歳で世界一若い武道武術道場長兼持ち主になり ました。道場で指圧も教え始めました。家庭訪問式の指圧も始めました。顧客は八割が美しいアメリカ女性でした。指圧をスエーデン式のマッサージと思っている人々がたくさんいました。指圧をオイルマッサージと思っている女性もたくさんいました。中には、家庭訪問の指圧を行いに家に行くと、素っ裸で私を待っていてくれました。男的には実に光栄でうれしく思いましたが、金銭がらみのお客様です。私情と金儲けは一緒にしてはいけないと思う、28歳の若さのバリバリの青年の私でした。自分がたまに信用できなくなりそうな時があった私でした。でも指圧のお客様が、自分達のオンナ友達をたくさん紹介してくれました。
指圧を習って本当によかったと思う私です。指圧、万歳!最高!