2005年12月7日(火)
刀のはなし23
日本刀の拵と外装
現存する9割以上の日本刀の拵、外装は江戸時代に製作されました。奉納刀や特殊な武将が使用した拵、外装で江戸時代前の物はまれに拝見します。
外装、拵は大別すると
①白鞘拵
②武家造拵
③軍装拵
④合口造拵
の四通りに区別されます。
①白鞘拵
休め鞘、油鞘とも呼ばれ、言ってみれば寝具のようなもので、鞘書きもよくみられます。
②武家造拵
武家造拵は多種多様です。太刀拵、半太刀拵、陣太刀拵、尾張拵、薩摩拵、打刀拵、兵庫鎖太刀拵等。
③軍装拵
旧軍装と新軍装があり、陸軍と海軍の外装は色や形状に違いがあります。
④合口造拵
ほとんどが短刀に用いられています。鍔(つば)がなく、緑金と口金物が合うように造られています。
白鞘は厳密に言えば二通りあります。一つは半永久的に使用され、柄の短いこと。もう一つは武家造拵に転換可能な長めに製作された柄と鞘です。これらは拵金具が付着するために、あらかじめ長く、太く、身巾たっぷりに製作されています。柄は削り込んで、エイの皮を張り、目貫も付けて柄糸を柄に巻きます。鞘はやはり削り込んで、漆塗りをして金具、栗形(くりかた)下げ緒を装着します。これらは武家造拵です。
柄糸の染料には鉄分が混じっており、100年くらい経つとぼろぼろになって錆びてきますので、柄巻をまた新規に注文しなければなりません。柄糸のしたにあるエイの皮も、100年くらい経つと縮んだり、ぼろぼろになってきます。漆を塗った鞘は300〜400年長持ちしますが、漆塗の下の木台が朴(ほう)の木なので、やはり新規に注文しなくてはなりません。 日本刀の拵、外装は儀仗用、兵仗用として使用され、多種多様の相違があり、時代の変遷、武家の服装の変化、剣術の流儀、流派の違い、刀身の長さの違い、戦場での使用の違いからたくさんの刀装具が生まれました。柄の長さには掟(約束事)があり、だいたい江戸時代より8寸5分か、9寸の長さです。なお、鞘と柄の比率は3対1です。日本刀愛好家の中には刀装具に繋ぎと呼ばれる木製の刀身を入れ収集している方々もいます。
日本刀の拵と外装
現存する9割以上の日本刀の拵、外装は江戸時代に製作されました。奉納刀や特殊な武将が使用した拵、外装で江戸時代前の物はまれに拝見します。
外装、拵は大別すると
①白鞘拵
②武家造拵
③軍装拵
④合口造拵
の四通りに区別されます。
①白鞘拵
休め鞘、油鞘とも呼ばれ、言ってみれば寝具のようなもので、鞘書きもよくみられます。
②武家造拵
武家造拵は多種多様です。太刀拵、半太刀拵、陣太刀拵、尾張拵、薩摩拵、打刀拵、兵庫鎖太刀拵等。
③軍装拵
旧軍装と新軍装があり、陸軍と海軍の外装は色や形状に違いがあります。
④合口造拵
ほとんどが短刀に用いられています。鍔(つば)がなく、緑金と口金物が合うように造られています。
白鞘は厳密に言えば二通りあります。一つは半永久的に使用され、柄の短いこと。もう一つは武家造拵に転換可能な長めに製作された柄と鞘です。これらは拵金具が付着するために、あらかじめ長く、太く、身巾たっぷりに製作されています。柄は削り込んで、エイの皮を張り、目貫も付けて柄糸を柄に巻きます。鞘はやはり削り込んで、漆塗りをして金具、栗形(くりかた)下げ緒を装着します。これらは武家造拵です。
柄糸の染料には鉄分が混じっており、100年くらい経つとぼろぼろになって錆びてきますので、柄巻をまた新規に注文しなければなりません。柄糸のしたにあるエイの皮も、100年くらい経つと縮んだり、ぼろぼろになってきます。漆を塗った鞘は300〜400年長持ちしますが、漆塗の下の木台が朴(ほう)の木なので、やはり新規に注文しなくてはなりません。 日本刀の拵、外装は儀仗用、兵仗用として使用され、多種多様の相違があり、時代の変遷、武家の服装の変化、剣術の流儀、流派の違い、刀身の長さの違い、戦場での使用の違いからたくさんの刀装具が生まれました。柄の長さには掟(約束事)があり、だいたい江戸時代より8寸5分か、9寸の長さです。なお、鞘と柄の比率は3対1です。日本刀愛好家の中には刀装具に繋ぎと呼ばれる木製の刀身を入れ収集している方々もいます。