桑港日本刀協会
  • Home
  • ニュース
    • 2011年
    • 2012年
    • 2013年
    • 2014年
    • 2015年
  • メンバー紹介ホーム
    • ダニエルさん
    • スティーブさん
    • テッドさん
    • ポールさん
    • ジミーさん
    • スチュアート
  • 刀 修理•修繕
  • メディア
    • ベイエリアに暮らす
    • 研磨師星野の日本刀講座(週刊ベイスポ)
    • 刀の話(日米タイムズ)
  • 刀 売り買い
  • つぶやき
  • About Us

2004年10月8日(金)

刀のはなし17

奉納刀

 日本刀の製作は、用途によってその性格を異にしています。
 ①神器として製作されたもの
 ②軍陣の象徴として製作されたもの
 ③実践、合戦などに使用されたもの
 ④時代の流行の一環として製作されたもの
 ⑤剣術の流儀、流派の一部として特別注文されたもの
 ⑥刀匠の技術をあらわしたもの
 ⑦奉納刀として神社、仏閣に寄贈されたもの

 今回は、奉納刀の話をします。奉納刀は古来の太刀の神霊化思想からのものであり、刀鍛冶の技術顕示の性格も混じっています。刀鍛冶自身が直接奉納したものと、別の奉納者が刀鍛冶に注文して奉納したものの二通りあります。奉納刀の大部分は、大振りな太刀、刀類で、長さ、幅、厚さ、大きさも定寸刀の二割増し以上です。大振りの刀の製作は技術的に非常に困難です。玉鋼の量がたくさん必要で、それに伴う炭の量も多く必要です。
 また、均一に鍛錬するには刀鍛冶の高度な技術が必要とされます。鍛冶場にも特別な設備が必要となります。焼き入れの際に使用する水槽も大きなものが必要です。研磨も定寸の刀や普通の太刀のようにはいかず、手研磨と称し、手に持った種々の砥石を前後に動かす方法をとります。長寸刀は天井から紐や綱でつり下げて研磨師数名で研磨していきます。奉納刀が大振り、または長寸で姿、形体も異にしています。目釘穴(めくぎあな)もない場合もあります。これは、実践に使用されなかったので拵(こしらえ)が必要でなかったからです。研磨も、鍛冶押しと呼ばれる刀鍛冶が製作後、簡単な荒研磨をほどこしたものがほとんどです。 桑港日本刀博物館に展示されている奉納刀は、明治時代中期に製作されました。銘は表裏の両側にあります。「正宗二十一代孫相模国綱広明治十七年八月吉日」とあります。
Powered by Create your own unique website with customizable templates.