ビックしたよ。マリオさん
マリオさんと会ったのは1975年の春頃でした。出会った場所は二番目の道場の真ん前でした。1973年の3月1日に開門した一番最初の道場は、Silver Aveの近くのMission Streetにありました。1975年の3月は生徒が増えて、新しい大きな道場に移転したばかりでした。この第二の道場もやはりMission Streetにあり、Otawa Streetとの交差したところです。昔の道場より少し大きい道場でした。
マリオさんは近所に住む72歳の爺さんでイタリア人でした。いつも笑いを浮かべて、愛想が良かったです。ある日、午後の2時頃に道場を掃除していると、いつものように笑っているマリオさんを見たので話しかけて世間話しを始めました。いろいろな若い時の武勇伝を目を輝かして熱く語るです。悪い人ではないと解りました。昔、マリオさんは若い頃の1920年代に、サンフランシスコのダウンタウンのMontgomery Street辺りにあるビルディングを、一つひとつのレンガのブリックを使って、セメントで固めて建築していたそうです。両腕に、七つずつのブリックを担いで運搬していたそうです。腕の力がものすごかったと自慢するのです。私は、またいつもの年寄り爺さんの昔話でデッチ上げのような誇張話し、または、自慢話しだろうくらいにしか思っていませんでした。向こうも、21歳の若造が笑い飛ばしているのだろうと思ったらしく、デモンストレイションをしてくれると言うのです。
マリオさんは言いました。まずは、デモンストレイションに必要な二つの物を用意するようにと私は頼まれました。普通の柄のついた箒とサンフランシスコ市の電話帳の二つです。ちょうど掃除をしていたので箒を持っていました。6000ページもあるYellow Pageの電話帳も道場にありました。その二つを床に置いてくれと申します。そして、次にぶ厚い電話帳を箒の掃く方の片側にのせてくれと申しました。今度は、君が箒の柄の方を片手でしっかりと握り、柄に直角にひざまずいた姿勢から、一気に持ち上げてみろというのです。何回か試みましたができませんでした。半信半疑の私でした。両手で、柄の方を握って持ち上げようとしてもだめでした。今度は72歳のマリオ爺さんの出番です。いとも簡単に持ち上げてしまいました。なんか誤魔化しているんじゃねえかと疑う私でした。何回試みてもできません。マリオさんは7回ぐらいデモンストレイションを、私の目の前で簡単にやって見せてくれました。
その日の夕方、生徒が道場に練習に来ました。練習が終わり、昼間に見たすごいデモンストレイションのことを説明して、生徒に挑戦させました。誰もできません。23歳のウエイトリフターが道場にいました。SFPD(サンフランシスコ市の警察官)として、昼間働いていました。ウエイトリフティングのジムに三日間通い、道場には二日間練習に来ていました。名前はスティーブ・ロンバールディーです。彼の腕は、私の太腿よりも大きかったです。その生徒も72歳のマリオ爺さんが、私の目の前で簡単にやって見せてくれた、箒とぶ厚い電話帳の持ち上げデモンストレイションができませんでした。
その次の週の日曜日に、道場でドンちゃん騒ぎのパーティーを催しました。マリオさんをゲストとして招いて、例の持ち上げデモンストレイションをやってもらいました。50人程いた生徒や生徒の家族の人々が皆びっくりしました。
あれ以来、マリオさんが見せてくれた箒と電話帳の持ち上げデモンストレイションができる人は私の前には現れていません。本当にびっくりしたよ、マリオさん。
マリオさんは近所に住む72歳の爺さんでイタリア人でした。いつも笑いを浮かべて、愛想が良かったです。ある日、午後の2時頃に道場を掃除していると、いつものように笑っているマリオさんを見たので話しかけて世間話しを始めました。いろいろな若い時の武勇伝を目を輝かして熱く語るです。悪い人ではないと解りました。昔、マリオさんは若い頃の1920年代に、サンフランシスコのダウンタウンのMontgomery Street辺りにあるビルディングを、一つひとつのレンガのブリックを使って、セメントで固めて建築していたそうです。両腕に、七つずつのブリックを担いで運搬していたそうです。腕の力がものすごかったと自慢するのです。私は、またいつもの年寄り爺さんの昔話でデッチ上げのような誇張話し、または、自慢話しだろうくらいにしか思っていませんでした。向こうも、21歳の若造が笑い飛ばしているのだろうと思ったらしく、デモンストレイションをしてくれると言うのです。
マリオさんは言いました。まずは、デモンストレイションに必要な二つの物を用意するようにと私は頼まれました。普通の柄のついた箒とサンフランシスコ市の電話帳の二つです。ちょうど掃除をしていたので箒を持っていました。6000ページもあるYellow Pageの電話帳も道場にありました。その二つを床に置いてくれと申します。そして、次にぶ厚い電話帳を箒の掃く方の片側にのせてくれと申しました。今度は、君が箒の柄の方を片手でしっかりと握り、柄に直角にひざまずいた姿勢から、一気に持ち上げてみろというのです。何回か試みましたができませんでした。半信半疑の私でした。両手で、柄の方を握って持ち上げようとしてもだめでした。今度は72歳のマリオ爺さんの出番です。いとも簡単に持ち上げてしまいました。なんか誤魔化しているんじゃねえかと疑う私でした。何回試みてもできません。マリオさんは7回ぐらいデモンストレイションを、私の目の前で簡単にやって見せてくれました。
その日の夕方、生徒が道場に練習に来ました。練習が終わり、昼間に見たすごいデモンストレイションのことを説明して、生徒に挑戦させました。誰もできません。23歳のウエイトリフターが道場にいました。SFPD(サンフランシスコ市の警察官)として、昼間働いていました。ウエイトリフティングのジムに三日間通い、道場には二日間練習に来ていました。名前はスティーブ・ロンバールディーです。彼の腕は、私の太腿よりも大きかったです。その生徒も72歳のマリオ爺さんが、私の目の前で簡単にやって見せてくれた、箒とぶ厚い電話帳の持ち上げデモンストレイションができませんでした。
その次の週の日曜日に、道場でドンちゃん騒ぎのパーティーを催しました。マリオさんをゲストとして招いて、例の持ち上げデモンストレイションをやってもらいました。50人程いた生徒や生徒の家族の人々が皆びっくりしました。
あれ以来、マリオさんが見せてくれた箒と電話帳の持ち上げデモンストレイションができる人は私の前には現れていません。本当にびっくりしたよ、マリオさん。