2008年3月11日(火)
刀のはなし61
日本刀の保存方法
保存は、白鞘か武家造りの拵に入っている場合、必ず刀袋に入れて下さい。これは鞘走りを防ぐためです。一ヶ月に一度は日本刀を鞘から抜いて、古油を新しい油に塗り替えるよう心掛けてください。
日本刀は鉄製品ですので、長い間しまっておくと必ず錆びが出てきます。この錆を手入れするのが手入れ具です。手入れは、市販の専用道具が手元にあれば簡単に行えます。時間も5分あれば全課程を終了できます。研磨された日本刀を美しい状態に保てるのも手入れ具のおかげです。
次に手入れの順序を説明します。
①鞘をはらう。日本刀を鞘から抜くことです。
②古い油をぬぐう。吉野紙またはぬぐい紙で、表面をきれいに拭き取ります。
③刀身の表面を打ち粉で軽くたたいて白い粉で覆います。これは京都産の内雲艶砥(うちぐもりはずやど)研磨石の粉末で、研磨用として使用する地引砥石、刃引き砥石です。
④新しいぬぐい紙でこすって、白い粉を取り除きます。この時、簡単な研磨をしていると思って下さい。
⑤新しい刀剣油(丁字油)を表面に塗ります。
これで一応、油の交換が終了し、御刀様は喜んでいます。
最近、京都産の内雲艶砥石の粉の代わりに悪質な角粉や石灰を使う業者がいますので、気をつけて下さい。余談ですが、1980年代は、妻のクレアさんと一緒に不純物なしの打ち粉を手作りで生産していました。
次に、普通の手入れで手に負えない小さな錆や指紋の付いた刀の処理を伝授します。
まず、丁字油と打ち粉をよく混ぜて、歯磨きの粘度の柔らかさののり状のものを作ります。それを脱脂綿で少し力を入れてこすって磨きます。9割の表面錆がこの方法で解決できます。少し深い錆は、新規に研ぐか、または、白鞘と刀身が当たっている部分を削ることをお勧めします。白鞘を製造できる鞘師に連絡して、すぐにでも錆の除去をすることです。 ぬぐい紙も最良のものを使って下さい。低質なものは「ひけ」という刀身の表面にできる線状の疵をつくってしまいます。丁字油も、黄ばんできたら新しいものと交換して下さい。要は、日本刀の油を常時取り替えて、錆の予防をすることです。
日本刀の保存方法
保存は、白鞘か武家造りの拵に入っている場合、必ず刀袋に入れて下さい。これは鞘走りを防ぐためです。一ヶ月に一度は日本刀を鞘から抜いて、古油を新しい油に塗り替えるよう心掛けてください。
日本刀は鉄製品ですので、長い間しまっておくと必ず錆びが出てきます。この錆を手入れするのが手入れ具です。手入れは、市販の専用道具が手元にあれば簡単に行えます。時間も5分あれば全課程を終了できます。研磨された日本刀を美しい状態に保てるのも手入れ具のおかげです。
次に手入れの順序を説明します。
①鞘をはらう。日本刀を鞘から抜くことです。
②古い油をぬぐう。吉野紙またはぬぐい紙で、表面をきれいに拭き取ります。
③刀身の表面を打ち粉で軽くたたいて白い粉で覆います。これは京都産の内雲艶砥(うちぐもりはずやど)研磨石の粉末で、研磨用として使用する地引砥石、刃引き砥石です。
④新しいぬぐい紙でこすって、白い粉を取り除きます。この時、簡単な研磨をしていると思って下さい。
⑤新しい刀剣油(丁字油)を表面に塗ります。
これで一応、油の交換が終了し、御刀様は喜んでいます。
最近、京都産の内雲艶砥石の粉の代わりに悪質な角粉や石灰を使う業者がいますので、気をつけて下さい。余談ですが、1980年代は、妻のクレアさんと一緒に不純物なしの打ち粉を手作りで生産していました。
次に、普通の手入れで手に負えない小さな錆や指紋の付いた刀の処理を伝授します。
まず、丁字油と打ち粉をよく混ぜて、歯磨きの粘度の柔らかさののり状のものを作ります。それを脱脂綿で少し力を入れてこすって磨きます。9割の表面錆がこの方法で解決できます。少し深い錆は、新規に研ぐか、または、白鞘と刀身が当たっている部分を削ることをお勧めします。白鞘を製造できる鞘師に連絡して、すぐにでも錆の除去をすることです。 ぬぐい紙も最良のものを使って下さい。低質なものは「ひけ」という刀身の表面にできる線状の疵をつくってしまいます。丁字油も、黄ばんできたら新しいものと交換して下さい。要は、日本刀の油を常時取り替えて、錆の予防をすることです。