2007年6月12日(火)
刀のはなし53
銘と添銘(そえめい)
銘とは日本刀下部の忠(なかご)に刻まれています。日本刀の製作者の署名です。忠に署名を入れるのは平安時代後期からで、日本刀の太刀の湾刀が出現したこのころに一般化されました。
銘の入っている日本刀を在銘刀、有銘刀と呼び、銘の入っていない日本刀を無銘刀と呼びます。8割から9割の在銘刀が偽名刀です。本物の銘の入っている日本刀は正真刀と呼びます。通常、太刀銘は佩表(はきおもて)に入れられ、刀銘は差表(さしおもて)に入れられます。太刀は、南北朝時代ごろに製作が止まり、変わって打ち刀が出現して、長さが少し増して、刀が安土桃山時代ごろから出現しました。銘の位置に表と裏があり、表銘、裏銘と呼ばれています。表銘と裏銘を一緒にして片側だけに長くいれたものは、書き下し銘と呼ばれています。
次に種々の銘を挙げます。
①作者銘:刀工の署名
② 紀年銘:製作年月日です。2月と8月がもっとも多い
③注文銘:注文を依頼した者の情報が入る
④所持銘:日本刀を所持する者の名が入る
⑤受領銘(ずろうめい):刀工が国司に任官された時に、大和の守(かみ)とか大和大掾(だいじょう)と入れられる
⑥試銘(ためしめい):試し切り剣術で、日本刀の切れ味の結果を入れたもの。様銘とも書く。切断銘、裁断銘とも書く
⑦象嵌銘(ぞうがんめい):金と銀があり、忠を磨り上げた( 短くした)ときなどに入れる
⑧金粉銘
⑨朱銘
⑩折り返し銘:または折り廻し銘
⑪短冊銘:額銘とも呼ぶ。銘をおしんで、銘のまわりを短冊型に切って新しく仕立てた忠に入れる
銘にも、短いものから長いものもあり、一字銘、二字銘、三字銘、短銘、平銘、長銘があります。また、作者の号や幼少の時の銘も見かけます。無銘の日本刀の鑑定した際には、極め銘も入ります。在米42年間に拝見した日本刀には神仏の名号、記念の銘文、折り返し鍛錬の回数などを入れた添銘もかなりの数を見ました。現在、桑港日本刀博物館に保管されている、珍しい銘の短刀をご紹介致します。
①合作銘のある短刀。表銘は真砂尚昭好合作之とあり、裏銘は大国齋金光(だいこくさいかねみつ)です。二人の鍛冶によって製作されました。②裏銘に、濃州関住兼成之作と彫刻。表銘に、藤原兼永とあります。1938年ごろの現代刀の短刀です。七福神の彫刻が刀身に入ってます。現代刀の時代には、短刀はほとんど製作されませんでした。
銘と添銘(そえめい)
銘とは日本刀下部の忠(なかご)に刻まれています。日本刀の製作者の署名です。忠に署名を入れるのは平安時代後期からで、日本刀の太刀の湾刀が出現したこのころに一般化されました。
銘の入っている日本刀を在銘刀、有銘刀と呼び、銘の入っていない日本刀を無銘刀と呼びます。8割から9割の在銘刀が偽名刀です。本物の銘の入っている日本刀は正真刀と呼びます。通常、太刀銘は佩表(はきおもて)に入れられ、刀銘は差表(さしおもて)に入れられます。太刀は、南北朝時代ごろに製作が止まり、変わって打ち刀が出現して、長さが少し増して、刀が安土桃山時代ごろから出現しました。銘の位置に表と裏があり、表銘、裏銘と呼ばれています。表銘と裏銘を一緒にして片側だけに長くいれたものは、書き下し銘と呼ばれています。
次に種々の銘を挙げます。
①作者銘:刀工の署名
② 紀年銘:製作年月日です。2月と8月がもっとも多い
③注文銘:注文を依頼した者の情報が入る
④所持銘:日本刀を所持する者の名が入る
⑤受領銘(ずろうめい):刀工が国司に任官された時に、大和の守(かみ)とか大和大掾(だいじょう)と入れられる
⑥試銘(ためしめい):試し切り剣術で、日本刀の切れ味の結果を入れたもの。様銘とも書く。切断銘、裁断銘とも書く
⑦象嵌銘(ぞうがんめい):金と銀があり、忠を磨り上げた( 短くした)ときなどに入れる
⑧金粉銘
⑨朱銘
⑩折り返し銘:または折り廻し銘
⑪短冊銘:額銘とも呼ぶ。銘をおしんで、銘のまわりを短冊型に切って新しく仕立てた忠に入れる
銘にも、短いものから長いものもあり、一字銘、二字銘、三字銘、短銘、平銘、長銘があります。また、作者の号や幼少の時の銘も見かけます。無銘の日本刀の鑑定した際には、極め銘も入ります。在米42年間に拝見した日本刀には神仏の名号、記念の銘文、折り返し鍛錬の回数などを入れた添銘もかなりの数を見ました。現在、桑港日本刀博物館に保管されている、珍しい銘の短刀をご紹介致します。
①合作銘のある短刀。表銘は真砂尚昭好合作之とあり、裏銘は大国齋金光(だいこくさいかねみつ)です。二人の鍛冶によって製作されました。②裏銘に、濃州関住兼成之作と彫刻。表銘に、藤原兼永とあります。1938年ごろの現代刀の短刀です。七福神の彫刻が刀身に入ってます。現代刀の時代には、短刀はほとんど製作されませんでした。